■アレフガルドの在る世界
以前、知人のサイトに文章を掲載させてもらっていたことがあります。このページでは、その文章の一つを編集し直し、再UPさせて戴きます。
ドラゴンクエスト１・２・３を併せて、ロトシリーズあるいはロト三部作、と呼ぶことがあります。それぞれの作品は繋がりを持ち、勇者ロトにまつわる物語が展開されるからです。時代は３→１→２の順で下り、１は３の約400年後、２は１の100年後の世界です。１が３の約400年後というのは、下記の二点から仮定しました。
- 沼地の洞窟が400年前に造られたという、FC版１公式ガイドブックの記述。
- ３の時代、沼地の洞窟が開通工事の真っ最中だったこと。
一方、２が１の100年後の世界であることは、公式ガイドブックほか、リメイク版２のゲーム内でも明記されているので間違いないでしょう。つまり、３から２にかけて、じつに500年もの歳月が流れたことになります。
そこで、今回はロトシリーズすべてに登場する【アレフガルド】の大地を中心に、世界の移り変わりについて、少しばかり書かせてもらおうと思います。
■アレフガルドと周辺世界
＊「私は 精霊ルビス。
このアレフガルドの 大地を
つくったものです。
【精霊ルビス】によって創造された大地。それがアレフガルドです。ルビスはアレフガルドの人々にとって伝説の存在であり、身近な存在でもあります。しかし、彼らの会話の中から、その創世の時代を窺い知ることはできません。従って、ゲーム中で確認できる最も古いアレフガルドは３のものとなります。
３の時代のアレフガルドは、その世界で唯一の大陸でした。海をずっと進んでいくと、やがて水が滝のように流れ落ちる場所に辿り着きますが、そこが世界の終わりです。他には何もありません。
ところが、１を通り越して２の時代になると世界は随分にぎやかになっています。海には幾つかの大陸が存在しており、そこには城や町なども築かれているのです。これらの大陸（以下、新大陸）は、いつ、どうやって形成されたのでしょうか。
■新大陸形成の時期
新大陸は３終了から２開始までの500年の間に形成されたことになりますが、具体的な時期が分かりません。しかしながら、手がかりになりそうな事柄はあります。下記の会話を見てください。
＊「わしに かわって
このくにを おさめてくれるな？
しかし ○○○○は いいました。
＊「いいえ。 わたしの おさめる
くにが あるなら それは
わたしじしんで さがしたいのです
これは、１のエンディングで、ラダトームの王様の申し出を勇者が断る場面です。この後、勇者はローラ姫と共にアレフガルドを発ち、新大陸に国を築きました。ということは、少なくとも1のエンディングの直後には、新大陸は存在していたのではないでしょうか。
次に、下記の文章を見てください。
かくして ロトのしょうごうをうけた
○○○○は ここアレフガルドの
えいゆうと なる！
だが このあと
ゆうしゃ ○○○○の すがたを
みたものは だれもいない
これは、３のエンディングで流れる文章の一部です。勇者の姿を見たものは誰もいないということは、アレフガルドから何処かへ行った、ということだと思われます。では、勇者は何処へ消えてしまったのでしょうか。
ギアガの大穴が閉じてしまったあと、上の世界へ自力で戻ることは叶わないでしょう。８のレティス＝３のラーミアだとすると、ラーミアが迎えにきて上の世界へ戻ったのかもしれませんが、その場合、３という作品が纏っている独特の悲壮感といいますか、そういう何かが失われる気がして、個人的には微妙。
というわけで、僕としては３の勇者も１の勇者同様に新大陸に渡ったのではないかと思っています。つまり、新大陸は３のエンディング後まもなくに形成されたと考えたいわけです。もちろん、断言することは不可能ですが……。
■新大陸形成の要因
では、新大陸はどうやって形成されたのでしょう。島程度の規模なら、海底火山の噴火などによって形成されることは珍しくありません。しかし、大陸となると話は別です。筍のようにポンポン顔を出すものではないでしょう。
ただ、幸いなことにドラゴンクエストの世界はファンタジーの世界。大陸が出現した理由として、神のような存在を考えることが、最も簡単ではないでしょうか。そこで真っ先に思い浮かぶのは精霊ルビスだと思います。ゲーム中で明らかになっている創造主は、彼女を置いて他にいません。ですが、やはり断言はしかねます……。
■新大陸形成の理由
ルビスが新大陸を創ったとして、その理由は何なのでしょうか。
３の時代、アレフガルドは魔王ゾーマによって支配されていました。世界に新しい大陸を創ろうという状況ではありませんし、そもそも、その時のルビスはゾーマによって封印されており、何かをしようにも身動きの取れない状態でした。
しかし、やがて世界に平和を齎す人物が現れます。かの勇者によってルビスは封印を解かれ、ゾーマは打ち倒されたのです。
世界に朝が訪れたとき、アレフガルドの喜びは如何様なものだったでしょう。平和を祝福する人々を何処からか眺めていたであろうルビスは、何を想ったでしょう。勇者に対する感謝と、人間たちの一層の繁栄を願う気持ちで、いっぱいだったのでは、と僕は思います。
そこでルビスは、新たな時代への贈り物として新大陸を創ったではないでしょうか。だとすると、新大陸の創造主はルビスであると同時に勇者たちでもあると言えるかもしれません。
■おわりに
まとまりのない内容になりましたが、この言葉を最後に失礼させていただきます。
＊「精霊ルビス ばんざい！ 勇者ロトばんざーい！