■ラーミアとレティス
ドラクエ3とドラクエ8。
共にクリアした皆さんは、下記の台詞を聞いたとき、どのように思われたでしょうか。
私は 神ではありません。
レティスという名前も あなたたち人間が
そう名づけただけのものです。
私が生まれた世界では
ちがう名で 呼ばれていました。
そう あの世界では
たしか…………ラーミアと。
僕の場合は、
*「え? レティスって やっぱりラーミアなの?
という具合に驚きました。
【レティス】というのは8で登場した神鳥の名前で、【ラーミア】というのは3で登場した不死鳥の名前です。ストーリー面では何の共通点もなさそうなこの両作品に同一の存在が登場したとあって、けっこう意外だったわけです。僕は基本的に何も考えず冒険するほうなので、こういう部分では割と普通に驚きます。
しかしながら、8で空を飛ぶときのBGMは、3と同じ『おおぞらをとぶ』です。いくら勘の鈍い僕でも、あの曲が流れたときには3の思い出が想起されました。人知れず感動したことは今でも覚えています。
が、それにも拘らず、レティスの正体が明かされたとき僕は驚きました。レティスはラーミアなのかもという予想はありましたが、確信は持てなかったのです。何故なら、この両者は似ても似つかない姿をしていたからです。ラーミアは白を基調に頭と尾に派手な飾りのついた姿をしており、レティスは全体が蛍光色の薄い青紫の羽毛で覆われた姿をしています。鳥という以外は、もはや全くの別物。
皆さんも、この点については疑問に思われたのではないでしょうか。これは、いったいどういうことなのでしょう。レティスは過去にラーミアと呼ばれていたけれど、3のラーミアとは違うのでは、と考えることはできるかもしれません。しかし、それではレティスの以前の名前をラーミアにした意味がないようにも思えます。
この疑問を僕が口にすると、ある知人がこんなことを言ってきました。
*「そりゃあ 3と同じ姿だったら
エンディングで 正体を明かしたときに
全然 驚かないからでしょ。
物凄く現実的な意見ですが、確かに同じ姿だったら正体もへったくれもないわけです。ですが、それでは夢も希望もないので、他に何かしら理由をこじつけることができないものかと考えてみました。
ラーミア(レティス)とは何か。そう、鳥です。
僕は、あることを思い出しました。中学時代の理科の教科書だか資料集だかに載っていた、ライチョウの写真です。ライチョウは夏と冬で羽が生え変わり、姿が全く異なる鳥だと紹介されていたのです。つまり、ラーミア(レティス)もライチョウと同じ理由で見た目が違っていた、と考えることはできないでしょうか。
そこで、ライチョウや鳥類についてググってみると以下のようなことが書いてありました。
- 羽が生え変わることを換羽という。
- 換羽を行う鳥はライチョウに限らない。
- 換羽により羽の見た目が大きく変わる場合、冬羽・夏羽に区別する。
- 冬羽は非繁殖期の羽色で、夏羽は繁殖期の羽色である。
換羽は珍しい現象ではないようですから、不死鳥であるラーミアの羽が抜け変わっても問題ないと考えます。それでは、ラーミアとレティスの、どちらが冬羽でどちらが夏羽なのでしょう。
3でラーミアが生まれた地は、レイアムランドと呼ばれる氷で覆われた島でした。一方8でレティスが棲んでいたレティシアは、自生している植物などを見るに温暖な気候に思えます。また、8でレティスは子育てをしていたので、レティスの羽は繁殖期のものだと考えられます。
以上のことから、ラーミアとレティスの姿が違うのは、換羽が原因であり、ラーミアの姿が冬羽で、レティスの姿が夏羽だと言えるのではないでしょうか。そのため両者は違う姿をしていたのだと、そうこじつけたく思います。