■ベギラマ
3の主人公が何もしない内から勇者と呼ばれるのは、雷(デイン系呪文)を操るためで、それは血筋によるものだろう(父親のオルテガも使えるから)、とか以前書きました。
では、3の主人公の子孫である1の主人公や、2の三人組はどうなんでしょう。彼らが使える攻撃呪文は、【ギラ】・【ベギラマ】・【バギ】・【イオナズン】・【ザラキ】・【メガンテ】のみ。何故デイン系呪文が全く使えないのでしょうか。
■使えないものは使えない
時代を経るにつれて、雷を操る力が失われていったのかもしれません。
2だけに注目すれば、悪霊の神々を倒してしまうくらい丈夫な子供が生まれていることから、三国の王家は血を濃くするような婚姻関係を結んでこなかっただろうと思われます(と言っても100年しか経ってませんが)。それ故にロトの血が薄まっていったのではないでしょうか。現にローレシアの王子のような呪文の才能を欠片も持っていない子孫だっているわけですから。1にしてみても、3から随分と時を隔てた世界ですしね。
しかし、別の見方もあるいはできるかもしれません。
■じつは使える
個人的には、じつは使えるのかもと思っています。何故なら、FC版1公式ガイドブックに次のような記述があるからです。
唱えた者の指先から激しい稲妻がほとばしり、敵を攻撃する強力な呪文である。
どうです、稲妻ですよ稲妻。では、FC版2公式ガイドブックの記述も見てください。
敵の頭上に雷雲を呼びよせ、稲妻による強烈な電撃を浴びせかける呪文。
やっぱり稲妻、電撃です。そう、もうお分かりかと思いますが、これらは両方ともベギラマについての説明文なのです。つまり、1と2のベギラマは、じつはデイン系呪文なのではないでしょうか。おそらく、呪文書の筆写中に寝ぼけたじいさんが、○○デインと書くべきところを誤ってベギラマとしてしまい、その間違いが訂正されずにそのまま後世へと伝わってしまった、なんていう事件があったりなかったり。
■正体は○○デイン
ベギラマがデイン系呪文だとすると、いったい何デインなのでしょう。と言っても、候補は【ライデイン】と【ギガデイン】しかないわけですが。
ここで颯爽と登場するのがイオナズン。2では、ベギラマよりイオナズンのほうが強いですよね。ということは、ベギラマはライデインの可能性が高いのでは。というか、実際に威力を相対的に見て、検証してみましょう。さんすう苦手ですけど、頑張ります。
まず、3のイオナズンの平均ダメージ(140)を、ライデインのそれ(80)で割ります。
140÷80=1.75次に、2のイオナズンの平均ダメージ(80)を、1.75で割ります。
80÷1.75=約45.7これが2のベギラマのダメージと同じであればいいわけです。じつは、まったく自信がありませんが、いいことにしておきます。いいかげんバカすぎて嫌になってきます。
えーと、話を戻しまして、ベギラマのダメージはFC版2公式ガイドブックによると30〜50(※)。おや、上手い具合に範囲に収まってますね。ちょっとビックリです。
※実際は平均25くらいなのですが、ここでは設定ミスと見なして無視します。
■あらたな疑問
ベギラマがライデインなのだとすると、あらたに次のような疑問が浮かんでくるかもしれません。何でモンスターにも使えるんだ、という。
じつは、モンスターが使っているベギラマはベギラゴンなのです。なんと魔族側の筆写家もミスを起こしていたわけです。ベギラゴンにしては威力が低いと思われるかもしれませんが、人間側が使う呪文とモンスター側の使う呪文では、多少の違いがあっても問題ありません。エビルマージの使うマヒャドなんて、ヒャダルコとヒャダインの中間くらいの威力しかありませんから。
え? そもそも2のベギラマと3のライデインじゃ攻撃範囲が違う?
まぁ、そのとおりなんですが、同じ天空編の4と5のライデインも範囲が違うということで、そこはスルーさせてください。というか、こんな与太話もともと無理があるんです。自分で話を始めておいてなんですが、はっきり言ってガスダンゴ並に穴だらけ。
■おわりに
竜王五代さんのところにこんな記事がありますが、確かにサマルトリアの王子って勇者ロトの血を一番濃く受け継いでいるような気がします。剣と呪文をバランスよく使いこなす点もそうですし、さらにライデインまで使うとなると(ベギラマだけど)、こりゃあいよいよ只者じゃないですよ。まさかの伝説の再来ですよ。
おまけとして他の攻撃呪文でも計算してみました。それによると、2のギラは3のベギラマのダメージ(35)に見事合致しましたが、バギは3のバギマよりも10ポイント以上強力な謎の呪文になってしまいます。また、1のベギラマをライデインとすると、1のギラのダメージは完全にメラ。どうりで弱いわけですね。
因みに、これらの結果はすべてFC版の話です。リメイク版だと威力も変更されていますし、そもそもベギラマが炎(あるいは閃光)の呪文にされているので。