■あばれうしどり

【あばれうしどり】(以下、暴れ牛鳥)はドラゴンクエストに登場するモンスターである。

ナンバリングタイトルでは4と8の二作品にしか登場していないが、8では新システムであるスカウトモンスターの一匹に選ばれている。

出現時には寝ていることも多いが、寝返りをうちながら攻撃してくるため油断はできない。また、4のあばれうしどりはときおり強烈な体当たりを繰り出してくる。ブライやクリフト、マーニャやミネアといったHPが低いキャラは瞬殺されることも。

加えてその名が示すとおり牛と鳥が合わさったような奇妙な姿をしているので、登場作品が少ない割には印象に残るモンスターと言えるのではないだろうか。


■牛なのか鳥なのか、それが問題だ

暴れ牛鳥とは何なのだろう。牛なのか、それとも鳥なのか。鳥に近い牛なのか、はたまた牛に近い鳥なのか。あるいは、牛でも鳥でもない全く別の存在なのか。これは大いなる謎だ。テリーのワンダーランドでは鳥系に属しているのに8では獣系に属している。分類学者も分類に困る非常に曖昧な存在ということかもしれない。

そもそも暴れ牛鳥は、何故このようなどっちつかずの姿をしているのだろう。この疑問を解消するための一助として、PS版4公式ガイドブック下巻にある暴れ牛鳥の項目から興味深い記述を引用させていただく。下記がその一文だ。

もともとは鳥だった生物が、怒りのあまり牛と化した。

意味が分からない。

怒りのあまり牛と化したって、どういうこと? 鳥って怒ると牛になるのだろうか???

この名文を生み出した人物は、鳥と怒りと牛の間にどのような因果関係を見出したのだろう。因みに8の公式ガイドブック下巻には、

もともと鳥型だったが、しだいに牛のような姿へと進化したモンスター。

と、説明されている。

■アヒルが先か、羊が先か

7に【あばれ足鳥】(以下、暴れ足鳥)というモンスターがいる。暴れ牛鳥と似た名前をしているだけあって、姿のほうも奇妙という点で一致している。どのような姿かというと、山羊か羊と鳥が合わさったような感じだ。暴れ足鳥の色違いがシープダックという名前なので羊とアヒルが正解かもしれない。つまり暴れ牛鳥のケースに当てはめて考えると、暴れ足鳥はもともとアヒルだったものが怒りのあまり羊と化したモンスターということになるだろう。

いや、早合点はいけない。7の公式ガイドブック下巻には、

発達した後ろ足で走り、クチバシでつついてくる鳥系モンスター。

と書いてある。ということは、おそらく暴れ足鳥は鳥ということだ。つまり、もともと羊だったものが怒りのあまりアヒルと化したということではないか。しかし、暴れ足鳥の姿をよく見るとアヒルっぽい部分は殆どないように思える。ということは、やはりアヒルが先で羊が後だという気も……。

謎は深まるばかりだ。

■おわりに

あれだけ暴れ牛鳥がうろついているということは、4の世界には随分と怒りを感じている鳥が多いようだ。彼らは、いったい何に対して怒っているのだろう。人間の傲慢さや理不尽さに怒りを募らせているのだろうか。であれば、もし現実が4のような世界だったとすると、今頃そこら中が暴れ牛鳥で溢れ返っているに違いない。鳥たちは言葉を話すことができない代わりに、自ら奇妙な姿になることで何かがおかしいと訴えているのかもしれない。

了

UP:10/04/04
こんなのっぱら

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