■ハーゴン
ドラクエ2に登場する大神官【ハーゴン】について。
■概要
ハーゴンは2に登場するボスキャラクターである。邪教を信仰しており、破壊の神シドーを呼び出して世界を破滅に導こうとする存在だ。まやかしの術や呪いが得意で、魔物たちを操り、ムーンブルクを一瞬にして滅ぼした首謀者でもある。
■ポジション
ローレシア、サマルトリアの両王子は、世界をハーゴンから救うという目的のもと旅立った。生き残ったムーンブルクの王女も、後にその旅に加わった。ハーゴンはラスボスではないが、主人公たちが旅立つことになったそもそもの理由であるという点で、3のバラモスや8のドルマゲスと物語におけるポジションは似ていると言えるかもしれない。
■戦闘面
皆さんは、戦闘面でのハーゴンについてどのように思われているだろうか。個人的には、強敵というか結構苦戦するイメージがあるのだけど、他の人からあまりそういう意見は聞いたことがない。むしろ弱いと言われることのほうが多い気がする。ハーゴンの前に戦うことになるアトラス、バズズ、ベリアルの三体の中ボス、そしてハーゴンの後に登場するラスボスのシドーは強いという意見が多いのに、ハーゴンだけは評価が低いのだ。
このことに関して、以前ドラクエ仲間の方と話をしたことがあるのだけど、主人公たちの最終目的のくせにベリアルとあまり強さが変わらないせいかな、というような結論になった気がする。本来ベリアルと同程度の能力であれば強いと評価されるはずなんだけど、その立ち位置まで踏まえると物足りなく感じられるのだ。
しかし、これは意図的にそうなっている部分もあるのだと思う。ハーゴンは、簡単に倒されることでプレイヤーを拍子抜けさせ、シドーの強さをより引き立てているのではないだろうか。1でいうところの、竜王(変身前)の役割を担っているわけである。といっても、僕の場合は竜王(変身前)にも結構苦戦するのだが。
■シドーとの関係
ハーゴンは戦いに敗れると、
*「お おのれ くちおしや……。
このハーゴンさまが
おまえらごときに やられるとは。
*「しかし わたしをたおしても
もはや せかいを すくえまい!
*「わが はかいの かみ シドーよ!
いまここに いけにえを ささぐ!
ぐふっ!
と言って倒れるが、この“いけにえ”という部分。僕はずっとローレシアの王子たちのことを指しているのだと思っていた。しかし、9公式ガイドブックのシドーのページにある次の記述を読んで、よく分からなくなった。
自分を信じるものの命を糧とする、4本の腕を持つ破壊神。
この一文から、あの“いけにえ”というのはハーゴン自身を指していたのでは、と考えるのは飛躍しすぎだろうか。それは分からないが、ハーゴンが自らの命を削ってまでシドーに力を与えていたことは確かなのだろう。先に触れたハーゴンがあまり強くない原因も、あるいはそこにあるのかもしれない。
そして個人的に気になるのは、ハーゴンがそうまでしてシドーを呼び出そうとした理由である。世界が破滅したとして、それがハーゴンにとって如何なる意味を持つのだろうか。
■おわりに
前述の一文の登場により、ハーゴンやシドー周辺のドラマ性が随分と増した気がしないでもない。その点に関しては、以前に否定的なことを書いた9の魔王の地図に感謝したい気持ちでいっぱいだ。我ながら現金な話だとは思う。