■モンバーバラの姉妹の足跡をたどれ!(一)

ドラクエ4第四章の主人公である踊り子【マーニャ】と占い師【ミネア】の姉妹。今回は彼女たちの足跡をたどろうと思います。


■状況整理

まず、第四章開始以前を中心に見てみます。FC版4公式ガイドブック(上巻)にある次の記述を御覧下さい。

モンバーバラの大劇場には今日も観客の大歓声が響く。お目当ては踊り子マーニャのステージ。妹の占い師ミネアと合わせ、町の人気を独占。が、姉妹の本当の旅の目的は……。

これは第四章開始時の話。モンバーバラの町でマーニャは人気ナンバーワンの踊り子として活躍しており、ミネアも占い師として人気を集めていたようです。しかし、二人の本当の目的は町の人気者になることではありません。この時の彼女たちは、ある目的を達するための旅の途中でした。

■旅の目的

かつての二人は、モンバーバラから遥か北にあるコーミズ村で父エドガンと共に暮らしていました。エドガンは錬金術師で、バルザックとオーリンという二人の弟子がいました。

あるとき実家の地下室でエドガンが殺される事件が起こります。バルザックによる凶行でした。父親のカタキ、バルザックを討つ。これが、彼女たちの旅の目的です。

■モンバーバラに滞在していた理由

旅の途中にあるマーニャとミネアが、モンバーバラに滞在し生活していたのは何故でしょうか。その第一の理由は、もちろん情報収集です。カタキ討ちを決意をしたものの、バルザックが何処へ消えたのかが二人には分からなかったものと思われます。しかし、闇雲に探し回るのも効率が悪いと考えたのでしょう。そこで情報を求めてモンバーバラの町にやってきたわけです。

■モンバーバラを選んだ理由

では、二人が情報収集の場としてモンバーバラを選んだ理由はなんでしょうか。コーミズから北へいけば、キングレオ、ハバリア、アッテムトなどの城や町がありますが、そちらには行きませんでした。何かワケがあるはずです。

《理由・その一》

まず挙げられる理由として、人の流入量があるでしょう。モンバーバラは活気溢れる町で、遠くバトランドからやってくる者もいるほど多くの人が集まります。それに比例して情報も集まることが期待できるわけです。

しかし、ハバリアも地方最大の港町ですから、人の流入は多いと思われます。港が規制されるのはキングレオの王さまが代わってからの話なので、マーニャとミネアがコーミズ村に住んでいた頃であればモンバーバラに負けないくらい活気があったのではないでしょうか。従って、情報のみを求めるならハバリアへ向かってもよかったはずです。

ところが、実際に選ばれたのはモンバーバラでした。二人には情報収集以外にもう一つの目的があったからです。

《理由・その二》

もう一つの目的とは路銀集めです。それは第五章で聞けるミネアの台詞から分かります。いつ終わるか分からない旅なので、お金が必要であることは当然の話でしょう。すなわち、二人が働くことを考えた場合にハバリアよりモンバーバラのほうがよさそうだったということであり、それがモンバーバラを選んだ二つ目の理由だと思われます。

では、二つの町を実際に比べてみましょう。

<ハバリア>
  • 最大の特徴は港。
  • 労働者層は、船乗りやあらくれといった屈強な男(というイメージ)。
  • 他の施設は酒場。
<モンバーバラ>
  • 最大の特徴は大劇場。
  • 労働者層は、老若男女と幅広い(というイメージ)。
  • 他の施設は酒場とか何とか。

なんとなくモンバーバラのほうが仕事にありつけるような気がします。なんとなく。

《理由・まとめ》

まとめると、彼女たちは情報とお金を同時に得るための場所としてモンバーバラの町を選んだということになります。どこでも働けそうな職業であるミネアはともかくとして、おそらく職を持っていなかったであろうマーニャにとって、その才能を開花させることとなったこの選択はある意味では正解だったと言えるでしょう。

■誤算

“ある意味で”と書いたのは、結果として二人はモンバーバラでの目的を全く達成できなかったからです。

まず一つ目の目的であるバルザックの情報ですが、その行方は一向に掴めませんでした。痺れを切らして町を離れることになったのが第四章開始時点の話です。しかし、これは仕方がないと言えるかもしれません。情報が確実に得られるとは二人も思っていなかったでしょうから。問題なのは二つ目の目的です。

二つ目の目的はお金でした。では、あの日最後のステージを終えたマーニャに、劇場の座長が今日までのお手当てだと言ってくれたお金はいくらだったでしょうか? そう、たったの100Gです。そして、これがその時点での二人の全財産。

100Gといえば、アルバイタートルネコの一日分の給料とほぼ同額です。いくらマーニャが瞬く間にスターダムへ登りつめたと言っても、一日しか働いてないということは考えられません。正確な期間は分かりませんが、コーミズへ帰ったときに村の人たちと再会を懐かしむ程度にはモンバーバラにいたはずで、つまりそれだけ稼いでいるはずでしょう。ミネアだって働いていたのですから、本来なら所持金100Gというのはあり得ないのです。

しかし実際は100G。いったい何故なのでしょう。

■貧乏の理由

彼女たちが貧乏だった理由は、第五章でミネアが話してくれます。

ミネア「ああ またイヤな思い出が……。
  ここで かせいだお金の すべては
  その日の飲み食いで 消えたのよ。
ミネア「旅に必要なお金を
  かせぐつもりが 姉さんのせいで
  ちっとも たまらなかった……。

なんと、その日の稼ぎは全て飲食代に消えていたのです。しかし、普通の食生活を送っていれば、そんな事態には陥らないのではないでしょうか。すなわち普通ではなかったということですが、やはり気になるのは“姉さんのせい”と言う部分でしょう。それも全てミネアが話してくれます。

ミネア「この酒場が いち日じゅう
  開いていたら わたしは 勇者さまに
  出会えてなかったかもしれません。
ミネア「姉さんは 酒場が好きだから
  ずっと入りびたって いつまでも
  旅立とうとしなかったかも。

つまり、二人の稼ぎのほとんどはマーニャの飲酒代に消えていたというわけです。モンバーバラには夜明けまでやっている酒場があり、仕事の疲れをお酒で癒す彼女の姿は容易に想像できます。その勢いは留まるところを知らず、自分の稼ぎどころかミネアの分まで飲み干し、借金も溜め、ついには劇場にツケまでつくり、その結果今日“まで”の給料がたったの100Gという事態になってしまったのでした。おそるべし、マーニャの肝臓。

モンバーバラの姉妹の足跡をたどれ!(二)に続く

UP:11/03/26
こんなのっぱら

―DRAGON QUEST FAN SITE―

  • Top
  • About
  • Text
  • Text *
  • Link