■トルネコの足跡をたどれ!(一)
ドラクエ4第三章の主人公である武器屋【トルネコ】。今回は彼の足跡をたどろうと思います。
■状況整理
最初にトルネコが置かれていた状況を整理します。
世界一の武器屋を目指す雇われ商人トルネコは、第三章で自分の店を持つための旅に出ました。その旅の途中なんやかんやあってエンドール王の信用を勝ち取った彼は、城下への出店の許可を得て、更にはお城お抱えの商人という名誉を掴み取ります。家に帰れば美人の奥さんと可愛い息子が出迎えてくれ、仕入れるあらゆる品物が飛ぶように売れて店は大繁盛。まさに人生の勝ち組を体現した男。それがトルネコです。
しかし、それで彼の夢が叶ったわけではありません。第三章のエピローグを御覧下さい。
こうして トルネコは
伝説の武器 宝物を 探すため
東に 旅立ったのでした。
すべての 武器を 手に入れて
世界一の武器屋に なる。
それが トルネコの夢だったのです。
あらゆる武器を入手することが世界一の武器屋になる条件の一つであるとトルネコは考えたのでしょう。あるいは最初からそういう考えを持っていたわけでなく、伝説の武器の筆頭ともいえる【てんくうのつるぎ】(以下、天空の剣)の噂を方々で耳にするうちに思いが募っていったのかもしれません。
居ても立ってもいられなくなったトルネコは、自身が開通資金を出したトンネル(ブランカへの洞窟)を抜けて東へ旅立った、というのが第三章終了時の話です。
■有名人トルネコ
第五章では、トルネコに関する噂話を数多く聞くことができます。
*「トルネコという男が 掘ってくれた
洞くつのおかげで 西のエンドールにも
行けるようになりました。
*「トルネコという商人は
まったく かわいそうですね。
*「洞くつを掘って 国と国とを
つないだりしたもんだから
魔物どもに ねらわれているとか。
*「こんなトンネルを 掘るとは
トルネコってのは えらいヤツだ。
ネネ「わたしの夫 トルネコは
伝説の剣を探して 旅に出ています。
ネネ「でも うわさでは魔物たちに
ねらわれているらしくて……。
ネネ「だれか 強い人と一緒に
旅をしていればいいのですが……。
このように、トルネコは人々の間でも魔物の間でも名を知られるようになりました。
■トルネコの経路
トンネルを抜けた後、トルネコはどのような経路をたどったのでしょう。
《ブランカへの洞窟→(ブランカ?)→砂漠の宿屋→砂漠》
まず、トルネコがブランカに立寄ったのかどうかは定かでありません。しかし、ブランカの更に東にある砂漠を越えたことが以下の台詞から分かります。
*「トルネコという男が
はるか東の砂漠を 越えたらしい。
*「金もうけのためとはいえ
なかなか 勇気のあるヤツだな。
*「うわさでは トルネコという男が
キャラバン隊をやとって
東の砂漠を 越えたそうだ。
砂漠を越える前に誰もが立寄るであろう砂漠の宿屋へやってきたトルネコは、そこで休憩しているキャラバン隊を発見。財布をちらつかせて彼らに同行したといった感じでしょうか。何でしょう、このシンプルさ。砂漠を越えるために裏切りの洞窟に行くという、それだけ聞くとまるで意味が分からない解決方法とはえらい違いです。
思えば第三章でのトルネコも実に合理的でした。自分の店がほしいという大前提のもと、
- 大金を持ち歩く→鉄の金庫があれば安心
- 新しく店を出せそうな場所はエンドール→エンドールに行きたい
→エンドールに行く橋が壊れている→建築家ドン・ガアデの力が必要
→ドン・ガアデがキツネに化かされている→キツネ狩りが得意な犬を借りる - 店を買うためのお金が必要→資金源として銀の女神像を取りに行く
といった具合に目的と行動の関係がとても明確です。ただ、時間をかけてトムじいさんを教会に連れて行ったり、小悪党だったトムの息子を牢屋から逃がしたりと、全てが合理的で効率のよい行動かというと疑問符がつきます。トムじいさんのお礼は少額だし、犬を借りるためだったとしても脱獄の手引きはリスクが高すぎるでしょう。この柔軟な姿勢に、彼が成功を収めた理由があるのかもしれません。
《砂漠→アネイル→コナンベリー》
さて、砂漠を越えたトルネコは温泉町アネイルに立寄ったことが分かっています。
*「いつだったか
トルネコという旅の商人が
この町に やってきたんですよ。
*「お金を いっぱい持っていて
船を買うつもりだと話していました。
いや〜 すごい人でしたなあ。
アネイルには伝説の鎧が祀られています。武器屋という肩書きのトルネコですが、のちに天空の防具も手に入れるのが目的だったと語っているので、きっと見学もしたと思われます。そして、その審美眼により贋物だと見抜いたかもしれません。また、トルネコとアネイルを訪れると、一人で旅していたときの心情を話してくれます。
トルネコ「この町には
ひとりで 旅してたころにも
立ち寄りました。
トルネコ「ひとりきりで
魔物と戦いながら 旅をするのは
本当に つらかったですよ。
アネイルを後にしたトルネコは、ひとり魔物と戦いながら南に下り港町コナンベリーへ。世界を回るために必要な船を買うことが目的です。トルネコはドックに行き、有り金はたいて船の建造を依頼します。ここまで特に問題もなく、旅は順風満帆に思えました。