■カルベローナの長老(一)
ドラクエ6に登場する魔法都市【カルベローナ】は、伝説の大魔女バーバレラがつくった町である。このページでは、カルベローナの長老について書かせてもらおうと思う。
■初代長老
ゲーム中ではっきりと言及はされないが、町の初代長老はおそらくバーバレラであっただろう。他の誰だか知れない人だったら、ちょっと意味が分からない。
■二代目以降の長老
では、二代目以降の長老たちはどのような人物で、どのようにして長老に選ばれたのだろうか。町に住むばあさんが次のようなことを言っている。
*「その女神像には 伝説の大魔女
バーバレラさまの たましいの
なきがらが やどっておる。
*「100年に いちど その女神像から
この町の長となる者が
生まれてきたのじゃ。
そもそも人なのかどうかすら怪しいが、それは取り敢えず置いておこう。気になるのは“魂(たましい)の亡骸(なきがら)”という表現だ。単なる亡骸が死んだ肉体を意味するなら、魂の亡骸とは死んだ魂ということになる。別のばあさんが言うには、カルベローナの人たちは肉体が滅んでも魂だけで生きることができるらしい。
*「わしら 魔法をあやつる者は
たましいだけの存在となって
生きることが できるのじゃ。
つまり彼らは肉体が滅んだ“だけ”では死なない。魂の亡骸となって、はじめて一般的な死を迎えたことになるのだろう。そして、バーバレラの魂の亡骸が宿った女神像がカルベローナにはある。その女神像から、百年のサイクルで町の長老となる者が産まれてくるらしい。
では、長老となる者が像からはじめて誕生したのは、いつのことなのだろう。バーバレラの魂の亡骸が女神像に宿ったその直後だろうか。それとも一週間後か、一ヵ月後か、一年後か、あるいは百年後か。それは分からないが、バーバレラの死後、長老不在の期間がいくらか存在した可能性はあるかもしれない。
■現代以降の長老
主人公たちがはじめてカルベローナを訪れたときの長老はブボールだった。そしてブボールの次の長老になるとされているのが、主人公たちの仲間でもあるバーバラだ。ここで、ブボールの時代にカルベローナがたどった運命を、町の詩人の台詞から振り返ってみる。
*「私たちの町は ただしくは
大魔王に 2かい ほろぼされたと
いってよいでしょう。
*「1かいめは 現実の世界で
町ごと 死の ほのおで
やきつくされました。
*「そのとき 私たちは 肉体から
精神を ときはなち たましいだけの
存在となって この夢世界へ。
*「しかし 大魔王のチカラは
夢の世界にまで のびてきました。
*「私たちが 夢の世界に きずいた
この町を こんどは この島ごと
封印してしまったのです。
詩人がいう町が死の炎で焼き尽くされたとき、カルベローナの住人のほとんどが肉体的に滅んだ。魂の存在となった彼らは夢の世界に新たに町を築くが、町の踊り子の台詞によればその時点でブボールの年齢は二百を数えていたようだ。
*「わたくしたちが たましいの存在と
なって 夢の世界へ この町を
きずいたとき 長老さまは200才。
中略
*「そこで 長老さまに なるべく
お休みいただけるよう トビラの前に
時の砂を まいたのです。
ここで疑問が生じると思う。夢の世界にカルベローナが築かれたときブボールが二百歳だったことと、女神像から百年に一度長老となる者が産まれてくることを考えると、次の長老であるバーバラは百歳を越えていることになるからだ。
しかし、バーバラの外見はとても百歳には見えない。カルベローナの人たちからも、バーバラはまだ若いとか、長老という呼び方は似合わないとか、そういった台詞が聞かれる。普通、百歳を若いとは言わない。また、彼女のパラメータの生いたちの欄が何だったか覚えているだろうか。そう、「いえでむすめ」だ。
百歳の家出娘?
■次期長老
バーバラはばあさんではない。そう仮定したとき浮かびあがってくるのは、ブボールとバーバラの間に女神像から産まれたであろう人物の存在だ。もちろんゲーム中には登場しないが、その存在を仮定しないことには筋が通らない(以降、その人物を便宜的にCと呼ぶ)。
では、Cはなぜゲーム中に登場しないのだろうか。姿が見えないだけでどこかにいるのだろうか。いや、次期長老というのは、かなり重要なポジションだ。どこかにいるのなら登場しないわけがない。つまりCは、なんらかの理由で既にカルベローナにはいないと考えるのが妥当だろう。そもそもバーバラが次の長老とされている時点で、たぶんそうなのだ。